【フォトカプラ入力回路】電流制限抵抗の選定方法

回路設計

本記事では、フォトカプラ使用時にダイオードと直列に抵抗を接続する意味と抵抗値の設計方法について解説します。ちなみに、この直列抵抗は電流制限抵抗と言ったりもします。

電流制限抵抗はなぜ必要か?

電流制限抵抗はなぜ必要かというと、フォトカプラの発光ダイオードへ流れる電流を制限してあげるためです。

フォトカプラの発光ダイオードにはいくらでも電流を流せるわけではなく、発光側の入力順電流の絶対最大定格(これ以上電流を流すと壊れてしまう定格)があります。例えば、TLP185であれば入力順電流Ifの絶対最大定格は50mAです。入力順電流の定格以上流すと部品が壊れてしまうため、電流を制限する必要があります。

逆に、電流を制限しすぎて電流が小さすぎる場合はどうなるか考えてみます。フォトカプラには変換効率というものがあります。変換効率とは、入力の発光ダイオード側へ流す電流と出力のトランジスタ側に流せる電流の比です。仮に、入力順電流が小さすぎると、出力へ流したい電流に変換できず、信号を伝達できなくなってしまいます。

一般に、入力順電流が1~10mA程度になるように電流制限抵抗を選んでおけば問題ありません。実際に設計を行う場合は、部品のばらつき、変換効率、フォトカプラの寿命を考慮して部品を決めていく必要があります。

電流制限抵抗の選定方法

以下の図のように、入力のON/OFFをトランジスタで行う回路を考えます。

入力側の回路ですが、電源電圧は+24V、フォトカプラのダイオードの順電圧は1.1~1.4V、トランジスタのコレクタ-エミッタ間飽和電圧は0.1Vとします。

出力側の回路は、電源電圧+5V、プルアップ抵抗3.3kΩとして、フォトカプラの出力トランジスタには、コレクタ電流1.5mAを流すものとします。

この時フォトカプラの変換効率は50~600%ですから、最悪の場合を考えると変換効率50%になることを想定します。つまり、入力順電流は3.0mA以上流す必要があります。

以上の条件から電流制限抵抗Rinの値を決めていきます。

Rin = (24V – 1.2V – 0.1V) / 3.0mA = 7.6kΩ

計算の結果、7.5kΩ以下の抵抗値であれば、入力順電流3.0mA以上を確保できそうです。E6系列から抵抗を選ぶと、6.8kΩになります。この時の順電流を計算すると、

If = (24V – 1.2V – 0.1V) / 7.6kΩ = 3.6mA

となり、3.0mA以上の十分な電流が確保できていることが分かります。

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