この記事では、入力電圧の2倍の電圧を得る倍電圧整流回路について解説します。
回路構成
倍電圧整流回路の回路構成は以下の図1のようになります。整流を行うダイオード2個(アレイ)と平滑及び倍電圧を行う直列接続されたコンデンサから構成されます。直列接続されたコンデンサの両端で入力電圧の倍の電圧が得られます。出力には負荷(後段の回路や機器など)が接続されます。
![](https://mago-blo.com/wp-content/uploads/2022/02/doubler_rectifier1-1.jpg)
動作説明
倍電圧整流の動作について見ていきたいと思います。
入力電圧がプラス時の状態を考えたいと思います。入力電圧がプラスの際は図2のように上側のダイオードがオンして、上側のコンデンサを通り戻る経路で電流が流れます。下側のコンデンサには電流は流れません。
![](https://mago-blo.com/wp-content/uploads/2022/02/doubler_rectifier2-1024x420.jpg)
次に入力電圧がマイナスの状態を考えます。今度は、図3のように下側のダイオードがオンして、下側のコンデンサを通り戻る経路で電流が流れます。上側のコンデンサには電流は流れません。
![](https://mago-blo.com/wp-content/uploads/2022/02/doubler_rectifier3-1024x428.jpg)
このように上側のコンデンサと下側のコンデンサを交互に充電することで、各コンデンサに電荷を蓄えます。そのコンデンサが直列接続されていることから、出力電圧としては足し合わせた2倍の電圧が出力されることになります。
動作波形
次にLTspiceで動作波形を見ていきたいと思います。
LTspiceで図4のようなモデルを作成しシミュレーションを行いました。
![](https://mago-blo.com/wp-content/uploads/2022/02/doubler_rectifier_sim-1024x933.jpg)
図5にシミュレーション結果を示します。
真ん中の波形は、出力電圧と各コンデンサの両端電圧になります。各コンデンサの両端の電圧は、入力電圧の最大値程度となっており、それぞれを足し合わせた電圧が出力電圧として出ていることがわかります。
下側の波形は、コンデンサ電流になります。各コンデンサが交互に充電がされていることがわかります。
![](https://mago-blo.com/wp-content/uploads/2022/02/doubler_rectifier_wave-1-896x1024.jpg)
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