【全波整流回路】平滑化コンデンサの充電電流波形

パワーエレクトロニクス

この記事では、AC(交流電圧)からDC(直流電圧)へ変換する整流方式の一つの『全波整流回路』について、平滑化コンデンサへの充電電流の波形について解説したいと思います。

全波整流回路における充電電流波形

コンデンサへの充電電流波形について見ていきたいと思います。

LTspiceにて以下のような条件でシミュレーションを行いました。

条件

・入力電圧:AC100V(約141Vの振幅)、50Hz
・平滑化コンデンサ:470uF
・負荷抵抗:100Ω

LTspiceのシミュレーションモデルは図1のようになります。

図1:LTspiceシミュレーションモデル(コンデンサの充電電流確認)

図2の波形はコンデンサへの充電電流波形とコンデンサの電圧波形になります。

0~4msあたりの電源投入時には、初期充電が行われるため突入電流が流れ、充電が行われます。

その後は、一定周期で充電が繰り返されます。この周期は交流電源の周波数に依存し、今回は50Hzにしているため、100Hz(周期10ms)で充電が繰り返されます。交流電源周波数の2倍になるのは、全波整流のためです。

充電のタイミングは、(交流電源電圧)>(コンデンサ電圧)となった時です。

図2:充電電流・出力電圧波形(緑:出力電圧、青:充電電流)

平滑化コンデンサ容量と充電電流の関係

次に平滑化コンデンサ容量と充電電流のピーク値の関係を見ていきます。

LTspiceにて以下のような条件でシミュレーションを行いました。

条件

<パラメータ>
・平滑化コンデンサ:100uF/470uF/1000uF

<固定値>
・入力電圧:AC100V(約141Vの振幅)、50Hz
・負荷抵抗:100Ω

LTspiceのモデルは図3のようになります。

図3:LTspiceシミュレーションモデル(コンデンサ容量と充電電流の関係)

充電電流波形は図4のようになります。コンデンサ容量が大きくなるほど、充電電流のピーク値は大きくなることがわかると思います。一方で、充電時間の幅は小さくなることがわかります。

図4:充電電流波形(コンデンサ容量と充電電流の関係)

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