この記事では、AC(交流電圧)からDC(直流電圧)へ変換する整流方式の一つの『全波整流回路』について解説します。
全波整流回路の目的
全波整流回路はAC(交流)をDC(直流)へ変換する目的で使われます。
回路構成
全波整流回路の構成は以下の図のようになります。AC電源などの交流電源を入力源として、整流を行うダイオードブリッジ、電圧の平滑化を行うコンデンサを通して、DC電源を生成します。出力には負荷(後段の回路や機器など)が接続されます。
動作波形
ダイオードによる整流動作
まずはダイオードブリッジによる整流動作について解説します。
図2のように、入力に交流電源を接続した状態を考えます。まずは、コンデンサの無い状態で考えてみます。
交流電源の電圧が+(プラス)の時は図2のようにダイオードがオンして、図2の経路で電流が流れます。
次に交流電源の電圧がマイナスの時を考えます。この場合は、先ほどと異なるダイオードがオンし、図3のような経路で電流が流れます。
交流電源がプラス/マイナスいずれの場合も、負荷への電流の流れる向きは一定であり、負荷側の電圧波形は入力電圧のマイナス側を折り返したような波形となります。これが、ダイオードブリッジの整流動作となります。
コンデンサによる平滑動作
ダイオードだけでプラスのみの電圧(DC電圧)を取り出すことができますが、実用上は安定した電圧を得たいため、ダイオードの後段に平滑用にコンデンサを挿入します。
コンデンサには電荷を蓄える作用があるため、図4のように負荷側の電圧波形は脈動(リプル)が減り、ほぼ一定の電圧となります。
負荷側の電圧の脈動(リプル)はコンデンサの容量と負荷電流により決まります。この辺をどのように設計していくかは別の記事で解説したいと思います。
リンク
コメント